狸系の里 シーズン2

はじめの一歩、二歩、散歩・・

翻訳は罪作り

どのような言葉にも辞書的な意味だけでなく様々な意味が付け加わる。だから翻訳は、原語の辞書的な意味を翻訳語の辞書的な意味に置き換えるだけではだめで、付け加わった意味が落ちたりする。歌の歌詞の場合、原詩なら可能な解釈が翻訳詩では難しくなること…

趣味礼賛

今、古い資料を整理していたら、日本楽譜出版社によるVivaldiの大協奏曲イ短調(Op.3 No.8)の楽譜が出て来た。この曲は、解説の頁によれば、”L’estro armonico”という表題がついているという。この表題は「調和的な詩」と訳されているが、もちろん、「調和…

スーちゃんの成長記

スーちゃんと言ってもキャンデーズ(ラン、スー、ミキ、古い・・?)ではなく、数学の話 β(^ ^;)。以下はこの位の軽いノリで書いているので、専門家の目から見るとヘンなこと書いているかもしれないのだが。 それはともかく・・ 数学は公理系と証明図式とか…

異文化交流の難しさ

信楽さんは昔、情報系の用語を取り扱う仕事をしていた。ある日電話で、「木構造が分岐構造を意味するのは何故か」といった内容の質問があり、咄嗟には質問の意味がつかめなかった。 質問してきた人に詳しく聞いて、質問してきた人の領域では「木構造」という…

第三形態は骨格が大事

前の投稿もそうだったけれど、文章がどうもくどい。聞く所によると第三形態は骨格だけになるという流儀があるようなので_β(^ ^;)、信楽狸の第三形態でも今日以降は、意味がはっきりしていて判ることばを使って簡潔に書く事を心がける。 前回の投稿は、要する…

情報民族音楽学序文 音楽の科学的モデリング

「音楽に国境なし」と言われているが、音楽について語り合うためには話題に選んだ音楽について共通な理解をもつことが必要になる[日本音楽との出会い]。 音楽はそれぞれの歴史的展開に則って、表現上の約束事が多様化している。そのため、この約束事を各参加…

Algorithmic Modeling

Algorithmic Modelingという言葉は、科学的モデリングという用語からの類推で、Algorithmを使い科学的モデルを作成すること、程の意味をもつ。要は、自然科学なら数式を使ってモデルを作るが、自然科学以外の人文・社会科学までを含んだ意味での科学分野では…

信楽さん第三形態

情報処理と人文科学との係わりについて信楽さんがこれまでに作っていたメモの構成は、大きく分けて次の三つの形態があった。 第一形態:混沌状態^^; 「兼常清佐の日本民謡研究」という報告書があって、研究活動は昭和26年に終わっているのだが、声の波形デー…

何か読みにくいなぁ

手元に「日本音楽の基礎概念」*1という本がある。日本音楽の本は探さないとなかなか手に入らない事もあって、手に入った本については丁寧に読もうとする。この本は15項目の質問に著者が回答するという体裁で編集されている。副題に「日本音楽のなぜ」とあり…

情報と社会あるいはソフトウェアとコミュニティ

情報社会科学という言葉について、一つの定義付けを試みる。 情報技術の成果というと、ソフトウェアが挙げられる。ソフトウェアはある計算環境で動くものであり、これまでは、ある汎用の計算環境を想定してその上で動くものとしていた。最近では、ソフトウェ…

背伸びせずに

4月の初めに予想外の出来事があり、当初は落ち着き先が見通せない事もあって焦っていた。 最近、落ち着き先が見えてきたので一息ついているのだけれど、今までみたいな生活パターンは取りにくくなっている。まぁ、今までが例外でこれからが普通、と言っても…

現象と法則、実践と基準あるいは・・・

自然現象は自然界の法則に従って起こる。さらっと言われるとごもっともという以外にない。ここで「自然現象」という言葉にもう少し拘ると、意外に底が深い所にある事に気付く。「自然現象」という時には、決して、目に見える、あるいは耳に聞こえる・・現象…

[情報民族音楽学研究]“読書(2)_語句の収集 階名と音名”の補足

OneDriveには読書(2)として掲載していたもの。ここでは前回、音程について補足した版を作る、と書いていたもの。主な参考書は次の3冊。 1)福井昭史、よくわかる日本音楽基礎講座、音楽の友社(2006年8月10日)[ISBN427630704X] 2)岩田宗一、声明は音楽のふ…

読書(2)_語句の収集 階名と音名

しばらく自分用の用語集を作る作業をしてみよう。参考書としては次を選ぶ。 福井昭史、よくわかる日本音楽基礎講座、音楽の友社(2006年8月10日)[ISBN427630704X] この参考書から語句を拾って単語帳の形に纏める。用語集が纏まると作文に便利になるが、それ…

メモノート公開用のフォルダを作ってみた

OneDrive試用を継続中。共有フォルダを作ってみた。リンクは次の通り。 https://1drv.ms/f/s!AtMSi1_sj0qqc7thzQlsgN0jibs ここには数頁のメモノートを入れて貯めておく予定。 慣れないクラウドであり、設定を改良しながら使ってゆくつもり。ただし、予想外…

読書(1)

これからしばらくの間、読書の記録を作ってゆきたい*1。 これまでいろいろな資料を浅いレベルで読んで、信楽メモなるものを作ってきた。これから本気で何かしようと思ったら、自前の道具箱に工具(ソフトウェアツールなど)を入れておくことになる。それも、…

OneDrive試用中

数年来、情報民族音楽学というキーワードに中身を盛るべく右往左往していた。どこに顔を出せばよいのか皆目見当がつかなかった事もあり、100頁位のノートを8回も改版して、未だにいまひとつ自信がない。しかしいつまでこうしていてもらちが明かないので、あ…

始めの一歩

ここ数年、音楽と情報科学との係わりをあれこれ、とりとめもなく書き続けてきた。そもそも何をしたいのか、というレベルの話なので形もなにも無かったのだが、八回書き換えればいい加減に形が整ってくる。纏めと附録の目次を見ていて、これがそのまま具体的…

ちょっとした発見

催馬楽歌の五線総譜を見ていたら面白い事に気付いた。 催馬楽歌には九つの音を使う。このうち、補助的な音が二つ、臨時に使う音が二つ、残りの五つが正音として使われる。この九つの正音を五線譜に並べて音階が書いてある。 この九つの内、正音五つを並べる…

音楽文化の相互交流という夢について

信楽先生は文系でも理系でもない、双方に足を掛けた中途半端な位置*1にいる。こういう位置にいて音楽を知りたいと言っても、音楽について新しい事実を見つける能力についても、情報工学的な仕組みを作りだす能力についても、準備不足の感は否めない。では、…

音律計測の具体的なイメージ

伝統邦楽の声楽譜というと例えば次がある。 この譜は催馬楽歌ころもがえの出だしの部分で、「催馬楽朗詠墨譜集(薗広進監修、催馬楽・朗詠墨譜集、日本雅楽会、昭和54年8月)」より引用している。 慣れないと取り付く島もないので、日本音楽の入門的な解説書…

音律の測定に係わる三つのステップ

音律を測るという話は、最終的には、良い記譜法を求める話に繋がる。文字や図記号と同様、楽譜もそれ自身は図形(「インクのしみ」という言い方をされる事がある)なので、この図形を音楽と同一視するためには図形とそこから読みとられる内容との対応関係の…

音律を測定してみたい

音律という言葉は、ここでは、楽譜に書かれた音の実際の高さという意味で使っています。日本の音楽では、楽譜上は宮商角徴羽という五つの音が使われているように書かれています。ただ、楽譜は目安という位置付けにあるので、実際の演奏で聞く事が出来る音は…

情報民族音楽学の三分野

Seegerによれば民族音楽学は、音楽学、民族学と言語学との共通部分(※)にあるという。 情報民族音楽学は、音楽に関する資料を、印刷面及び書かれている内容の両面から検討し、読みやすい形に整理し蓄積する。この蓄積された資料を使って音楽の情報モデルを構…

アルゴリズムとソフトウェア

音楽をジャンルから独立した表現法-例えば波形なり、音の特徴パラメータなり-で表現してこれを基礎資料とする。こうすると、この基礎資料を使おうとする人は誰でも計算機プログラム(以下プログラム)を書かねばならないことになり、閾が高い。この事態を…

人文科学のための情報科学

前回から今日までの間に引っ越ししていた。ひと月なんてあっという間に経つ・・ 科学という言葉は自然科学の同義語みたいに感じるのだが、人文科学という言葉もあるから自然科学と同義語という訳ではないだろう。何かについて知ることには違いないにしても、…

科学と工学(新年の抱負)

あけましておめでとうございます。今年は酉年。ドライにならぬよう水を欠かさぬように努める酉年は・・酒年・・ そんなことはこっちに置いといて、と。抱負など。 筆者がかつて所属した学科には、情報科学科と情報工学科とがあった。学校にいたのはもう40年…

術語の薦め

言葉を不用意に使うと伝わる話も伝わらないと思うことがある。 例えば「クラシック音楽」という言葉は次のような意味1-3で使われている。 1) 狭い意味ではクラシックという言葉は1750年から1820年までの期間(クラシック期)を指し、この時期に作られた西欧…

曲の呼び方

信楽さんは見境なく音楽を聞くので、意外な曲を話題に持ち出したりする。まぁ、狸の縁で「証城寺の狸囃子、野口雨情作詞 、中山晋平作曲」ならまだ想定内として、「西野カナのトリセツ」とか「福山雅治の桜坂」を面白がっていると、それを見て意外に思う人が…

指揮者と指揮という言葉のもつニュアンス

もう訳語として定着してしまっている言葉について何かを語るのも今更だけど、指揮という言葉のニュアンスと、指揮者という言葉のニュアンスとは合っているだろうか? Wikipediaで指揮という言葉を検索すると、曖昧さ回避の頁に進む。ここには次の三つの言葉…