狸系の里 シーズン2

はじめの一歩、二歩、散歩・・

図書館で借りた本を巡るあれこれ

最近、近くの図書館で本を2冊借りた。 1) 工藤隆「歌垣と神話をさかのぼる」、新典社選書12、新典社1999.7 2) 柴田南雄「声のイメージ」岩波人文セレクション、岩波書店2013年10月 1)は、上代の婚活(^^?)というか歌垣についての文化人類学的な調査報告。同じ…

上代歌謡と古代の交易路

高校の古文の時間に水銀商*1が蜂に助けられるという話があった。こういう話が残る位には当時から陸の交易路があったことになる。音楽の教科書で音楽史の頁にピアノの歴史についての挿絵があり、一寸調べた範囲で、ピアノの元になる楽器の一つがイスラムから…

カンテレとツィンバロン

カンテレとツィンバロンはどちらもチターの仲間で、カンテレはフィンランドの、ツィンバロンはハンガリーの民俗音楽に使われている。カンテレは膝に置いて指で絃を弾き、ツィンバロンは机に置いてマレットで絃を叩く。マレットで絃を叩くという仕組みが現在…

詩人と歌人の違いか?

以前、言葉の勉強を兼ねてフィンランド歌曲集の歌詞を翻訳したことがあった。トリオレコード フィンランド歌曲集(Stereo PA.1016)というLPレコードの歌詞カードについていた詩をテキストにして、自分で辞書を牽いて意味を考えて、訳文を作っていた。そのと…

狸系の里 シーズン2

狸系の里のこれまでが狸を被せてもあんまりなよたよたぶりだったので、ここいらで気分を引き締めて、狸系の里S2は情報科学の原点に戻って音楽を調べたい。ここで情報科学の原点と言ったのは、数学基礎論のモデルの理論を情報科学の具体的な活動に関するひな…

伝統邦楽は詩の世界の住人かも

今朝がたふと、伝統的な日本の音楽は殆どが、音楽というよりは詩なのではないかと思った。 詩の仲間は大きく、印刷された詩(文字を読む詩)と声を出して歌う詩とに分かれる。Wikipediaで詩を牽くとリラを手にもつホメロスの像が出てくるが、声を出して歌う…

(ほぼ)休眠宣言

伝統邦楽譜を読んでみると、独特の書法で書いてあって、見ている間は面白いのだけれど、具体的に何かを始めようと思うとPCに載せる始めの一歩でつまずくことになる。もっとも素直に載ってしまうと却って問題点を見落とす事もあるので、つまずくこと自体は困…

三点セット

何のかの言いつつ時間だけが経つ・・ とりあえず手掛けたいのは次の三つ。 1) 音源追跡と同定 大学院というともう半世紀近く前。あまりに不出来な終わり方をして気になっていた音源分離のテーマをもう一回試す。ピッチレコーダー機能に追加したものを実装し…

情報民族音楽学の課題

情報民族音楽学は、音響パラメータを使って特定の音楽ジャンルに依存しない方法で音楽を記述し、音楽の特徴を研究する活動と定義している。この定義自身は、兼常清佐の日本民謡研究から発展させた*1。情報民族音楽学のイメージは学生時代に作ったので、課題…

声明について基礎から調べてみよう

これからしばらくの間*1、聲明について調べてみようと思っている。 これまで伝統邦楽の資料を見ていて、「音楽」のような普通の言葉が独特の意味をもつ所で引っかかることが何回かあった。言ってみれば、記号と指されるものとの対応関係が、「常識的な」枠組…

60年目の卒業

日本語はどこからきてどこに行くのかを明らかにするというテーマ*1は、高校のころから、いつかこれを手がけたいと思っていた。肝心なところを説明する言葉がなかなか見つからなかったこともあって、結局在職期間中には手がつけられなかった。暦が一回りした…

催馬楽・朗詠譜の電子化

以前伝統邦楽譜を電子文書化してみようかと思って、少しだけ試したことがある。資料を見ながらWordに置き換えるという方法を取っていたが、場当たり的なやり方をしていたので、pdfに直したら書式が壊れたり、Wordの描画機能の制約の中で微妙な違いをどこまで…

鎌倉散策

今週のお題「好きな街」によせて。 ♪~源氏山から北鎌倉へ~♪なんて歌が流行っていた頃、本当にこのコースを歩いたことがある。辿りついたお寺の門に郵便箱みたいな箱があって、猫が門番をしていた。歌とはずいぶん雰囲気が違ってのんびりとした空気。これが…

楽譜と工業標準の類似性

楽譜という言葉が表す意味が、西洋の音楽と日本の音楽とで、えらく違うことはよく経験する。楽譜について語られているイメージを総合すると、工業標準に類似した側面が見えてくる。但しこの感想には、信楽さんが一時、日本工業標準(JIS)の策定に係わっていた…

それがあるのは必要だから

「声明は音楽のふるさと」に限らず、伝統邦楽系の書籍にはよくこんな問答が載っている。 西洋音楽には楽譜があるが、伝統邦楽に楽譜がないのは何故か、という問いかけに対して、音は本質的に言葉で書き表す事ができないものであり、楽譜という形で書きとめる…

速読三題

手元にあった本を三冊読み返してみた。 ‐ TeX for Windows システムガイド (インプレス) ‐ 音声工房を用いた音声処理入門 (コロナ社) ‐ 声明は音楽のふるさと (法蔵館) はじめの二つはずいぶん前の本で、技術的内容を見るつもりで読んだ訳ではない。む…

信楽情報社会科学研究所

まだまだ、信楽さんの空中庭園の書。 昔々、信楽さんは、「情報社会科学」の研究所に所属していたことがあった。「情報社会科学」の研究、字義どおりなら、社会科学の事象を情報科学の方法により明らかにする研究ということになる。 民族音楽学に音声情報処…

妥協しない再現

もう数年前になるが、街の楽器店で催馬楽・朗詠墨譜集*1を見つけて、何かの役に立つこともあるかと思い購入した。仕事で複合文書技術にも多少の引っかかりがあり、人文系情報技術の分野でのSGML利用についても多少は知っていたので、催馬楽・朗詠譜のSGML表…

音楽の比較は常識を書きだして比較する問題

音は物理現象であり、耳に入れるだけなら国境など意識せずどこでも聞くことができる。この物理現象を耳に入れた後どうするかについては、音楽毎に決まった約束事があり、音楽の作りは少なからずこの約束に影響を受けている。 音色がメッセージを運ぶ音楽なら…

音楽の比較

音楽は様々な常識が支えている。この常識は自然に定着して、音楽を聞く基礎になっている。例えば五線譜で書かれる音楽には、音符が示す音の高さ・長さを示された通りに維持するという常識がある。この性質はしかし、語りの性質が強く現れる歌の場合、維持さ…

信号処理で音楽がどこまで判るかという課題

情報民族音楽学という風呂敷を広げてみて、さて、この風呂敷に具体的に何を入れようか?ということで、DTMシステムで言うピアノロール記法と音声認識システムで言う「音響パラメータ列‐セグメント仮説‐言語仮説」という三つの軸からなる仮説空間とを組み合わ…

ダイアリに出戻りしようかな

しがらきさんとはてなの付き合いはダイアリから始まっていた。日々の暮らしをたんたん(狸^^)と書き綴るにはダイアリが書き易いかなと思って始めたのだが、ダイアリがBlogに全面的に移行するという話があって、それでは、とBlogに移ってみた。これまで書いて…

追補案

ここ数年情報民族音楽学という言葉に見合った内容を付けようと思案してきた。一応、自分なりの到達点まで来たので、ノート(作成済み)と次の要約(これから清書)とをもってこの活動にも区切りを付けようとおもう。 1.はじめに 情報技術の民族音楽学への適…

スーパー歌舞伎

情報民族音楽学という案件については、これから新規に書き起こすより、今手元にある88頁分*1の書きものを改良することにした。そうすると、ここに書くことがなくなってしまう事に気づき、しばらく思案していた。結局、目に付くまま気がつくままにいろいろ書…

纏め方と区切り方

情報民族音楽学という表題で私的メモを作っていて、一段落する地点を模索している。いままで5回書き改めているのでメモ作りは一段落して、もうそろそろ情報処理を手掛けたいきがしている。 一応何をやりたいかは決まっていて、次のようにかける。 足元にあっ…

計算機可読資料(データ)の揃えかた

情報技術を使うには計算機可読なデータが必要になる。文書や音のような資料を計算機可読な形式にする方法は幾通りも考える事ができる。所与の資料から計算機可読なデータを作る作業は避けられないが同時に作業には手数がかかるので、資料と同程度の期間、資…

中世以降の音楽と譜

手元に日本音楽史を図解した本が三つほどある。伝統的な邦楽はそれぞれ継承する流派があり、図解は流派の継承関係で示してある。例えば「日本音楽との出合い」の33頁、図2-2。これをさらに簡略化すると、次の流れを見てとれる。 ・琵琶楽 上代の声明から琵…

上代歌謡の譜

日本古代歌謡の世界CDの添付資料、楽譜の世界‐日本と世界の楽譜、(續天台宗全書 法儀Ⅰ 声明表白類聚の三冊を並べて、楽譜の見え方を比べてみている。 催馬楽朗詠譜と神楽譜とを見る限りでは、ネウマ部分に出てくる記号は同じに見える。ここでネウマとは、歌…

音楽を知るための採譜

音楽の聴き方には、音響現象を知覚する聴き方と、その場の約束に従って音響現象が運ぶとされる内容を理解する聴き方とがるようだ。*1この二つに対応して、音楽を記録する方法には、音響現象を記録する方法と、音響現象に加えてその場の約束を記録する方法と…

日本の歌

日本の歌というと、次のジャンルが伝わっている。 ・上代歌謡 当時の文献資料に歌詞のテキストが残っている。その歌い方はよく判っていない。 ・催馬楽・朗詠 雅楽が伝わった時にその記譜法を借りて書かれたもの。催馬楽は当時歌われていた歌謡をかいたもの…

円周率という不思議な数

数の中には、それがあることは誰も疑わず、名前が決まっていて、その値にはどこまでも近づくことができて、しかもその値にはどうしても到達できないものがある。円周率は身近な例を与える。 円周率は円の周の長さとその直径との比であり、図を書けば目に見え…

はじめに歌があった

以前、こんな作文をした事がある。 Alussa oli Laulu, ja Laulu oli Hengen kanssa, ja Laulu tuli Henkilöksi. はじめに歌があった、歌は息(魂)と共にあった、そして歌は人となった。 もちろんこれは完全なオリジナルではなく、新約聖書のヨハネによる福…

爺狸の昔話(じじたぬき)

爺狸がまだ豆狸だったころ、巣穴は箱根の山の東にあった。今から思うと想像もつかないのだけれど、海苔を天日に乾す工程を見たことがある。 こんな呑気な光景は小学校に入るまでの話で、入ってから出るまでの間はいい印象が全く残っていない。当時は生徒数の…

直前の記事に掲載した次の図で、対象モデルと実現モデルとで矢印が逆に向いていることに関連して、採譜プロセスがソフトウェア制作プロセスに似て見えることについて補足する。 前回の図 図では音楽音を説明するために対象モデルを作り、音楽音を具体化する…

モデルと意味

昨日のメモで楽譜の意味を表すために骸骨図を使うと書いた。意味という言葉の使い方が特殊だったので、次に補足する。 対象モデルに骸骨図を使い、楽譜を実現モデルに選ぶと、骸骨図は楽譜の意味を示す。

やっと繋がった(改版)

以下、9月2日の記事の改版。 ここ数日、小泉文夫著の本を三冊(全て青土社)読み返していた。 ・民族音楽研究ノート ・音楽の根源にあるもの ・日本の音 結果、やっと柴田南雄著「音楽の骸骨の話」に繋がって、小泉文夫氏のテトラコルド理論と柴田南雄氏の骸…

やっと繋がった

ここ数日、小泉文夫著の本を三冊読み、やっと柴田南雄著「音楽の骸骨の話」に繋がる。 小泉文夫著(全て青土社) 民族音楽研究ノート 音楽の根源にあるもの 日本の音 1.小泉先生の本の内容には、信楽さんの理解する範囲で、次がある。 1) 民族音楽の研究 2…

日本音楽と指揮者

まず手始めに次を読んでいる。 竹内道敬著、日本音楽の基礎概念=日本音楽のなぜ=、放送大学印刷教材(1996年3月) 14の何故と回答に1つの纏めがついている。今日読み始めて現在、6節の「日本音楽にはなぜ指揮者がいないのか」まで来ている。この節(53頁…

常識を補填しよう

少し前に情報民族音楽学ノートと言う全体で80頁強の資料を作った。構成は次の通り。 1章 序文 2章 採譜のための情報技術 3章 伝承のための資料として伝統邦楽譜を編集する技術 4章 既にある伝統邦楽譜資料からテキストデータを作成する技術 5章 永続的…

はじめに歌があった

かなり前のこと、フィンランド語でこんな作文をしてみた。 Alussa oli Laulu, ja Laulu oli Hengen kanssa, ja Laulu tuli Henkilöksi. 日本語ではこんな感じ。 はじめに歌があった、 歌は息(魂)と共にあった、 そして歌は人となった。 種明かしすると、こ…

手書き譜+音資料→情報モデル

結局ここでやりたい事を書くと、次の図になる。 伝統譜のディジタル化には次の問題が想定される。 伝統譜は墨と筆で手書きされている。文字、図記号の形、これらのレイアウト規則は一つではない。 そこで・・ -文字、図記号、レイアウトについては標準化を検…

DTMシステムとTeX

だいぶ前、まだ在職中に、Diagostini社のMy Music Studioを購入して、DTMシステムの実例を調べていた。使いこむ前に時間が経ってしまい、Singer Song-Writer(SSW)がV11になっていたり、OSが当時のVistaから7、今は10に更新するアイコンが窓の右下に出ていた…

声明譜について調べようと思っている

これから声明(しょうみょう)という日本の古楽を情報科学的に扱ってゆきたい。 声明は東大寺の大仏が建立された頃から日本に伝わり、日本の音楽の源流の一つと言われている。歴史の長い分、当然、既に研究成果がそれこそ山のように積まれているから、いまさ…

街で買える伝統邦楽譜

図書館から借りている「日本音楽との出合い」にうっかり書きこみ__φ(^ ^)メモメモ__を入れそうになって、直前に気がついて、慌てて実物を買いに出かけた。いつもの楽器屋さんで捜した範囲では、「よくわかる日本音楽」という本は見つけたがこれは既にあり、…

背景の設定も重要

情報民族音楽学という用語はずいぶん大きな風呂敷と思うが、もともとは、電子文書技術(SGMLとかXMLとかの)の応用例として、古楽譜を電子化したら何ができるかという話だった。多分に趣味的で何に役立つかと言われても答えようもないので、設定*1を考えている…

伝統邦楽の音楽理論

ここ数日、昼間は言うまでもなく夜も蒸し暑い。そんな事情もあってここ数日、「草木も眠る丑三つ時 ^_^;」を読書タイムにしている。昨日まで、怪談・・ではなくて ^_^;; ・・ 国立劇場芸能鑑賞講座 日本の音楽《歴史と鑑賞》 を読んでいた。この資料は、副題…

FM放送 現代の音楽 ペンデレッキ(1)

今日の放送では、ペンデレッキの初期の作品を四つ放送していた。 「放射(エマナツィオーネン)」 「広島の犠牲者のための哀歌」 「弦楽四重奏曲第1番」 「ポリモルフィア」 現代音楽はもっぱら放送で聞いていたので、聞いたことがあるにしてもはるか昔の話…

伝統邦楽関係の本を読む

情報民族音楽学ノートというメモを6月に仕上げてから早くもひと月以上経ってしまった。このノートでは、楽譜と関連する文書資料とを電子化して閲覧可能にするという話題を巡っていろいろ書いている。その時に、まだ下調べという意識と、楽譜の世界3という書…

黒い一反木綿のような譜

ペンデレッキの楽譜を見ると、半音の音程差で積み重ねた音を黒い帯のように書いているので、一反木綿が飛び交っているように見える。こういう楽譜は現代音楽固有かというとそうでもなく、音楽史シリーズ8「東洋民族の音楽」*1のポリネシアとミクロネシアの…

一見荒唐無稽な話

24日の午前に、一寸した待ち時間があったので、CS放送にあるナショナルジオグラフィックチャネルを見ていたら、イースター島の住民の生い立ちを探る放送をしていた。24日は土用の丑の日だからUMAでも出てくるような話かと思うと、そうでもなかった。 放送に…