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狸系の里 シーズン2

はじめの一歩、二歩、散歩・・

ブックマークでDTM機材のサイトに目がとまる

ブックマークを当たっていると音楽関係で興味あるサイトが見つかる。最近では、音楽理論のサイトとDTM機器関係のサイトとが気になり、読んでいるうちにだいぶ時間が経ってしまった。信楽さんは小学校ころから機会がある毎に(ラジオ)放送で音楽を聞いてきた*1。とはいえ、専門的なディスカッションの経験がないという意味では素人に等しいので、プロの見解は新鮮な感を受ける。『音楽はジャンルに拠らず人の所作なので、理論で全てを律する訳には行かない。和声進行をメロディの集まりと見るか、和音をひと固まりに捉えるかという差異はあるとしても。』

さて、

作曲家は意外なイメージを書こうとするから、五線譜に書いてある曲でも、五線紙に一つ一つ音符を書いて素直に収まるようなものばかりとは限らない。音符が玉から帯になって下向きに伸びたり横向きに伸びたり*2、いくつか固まって旗を落として曲線になってしまったり*3、よく見ると声楽パートの音符には竿に×が打ってあったり*4、メロディの断片毎に頁の様々な場所に散らしてあったり*5、よくもまあこういうものを考えつく (^ ^)。もちろん伝統邦楽譜にも独自の記譜法がある。伝統邦楽譜の場合、ジャンル毎に独自の記法があるから、一言で「楽譜エディタを作る」といっても、設計は一筋縄では行かない。

なんでここまで多様な記譜法があるかというと、個性的な音には個性的な特性があるので、その特性を書こうと思うとつい、ということなのだろう。クラスター音楽や、音符を曲線の積み重ねで書く音楽の場合には、噪音的な複雑な響きを意図したものだろう。ピエロリュネールはもともと詩の朗読のために書かれたということで、歌いの要素を加味した語りという表現を意図したものと思われる*6。メロディの断片を散らす記譜法は、石井眞木作曲「ピアニストと打楽器奏者のためのピアノ曲」の中にも一部、取り入れられていて、シュトックハウゼンの曲だけという訳ではない。

全ての音楽を受け入れるDTMシステムの楽譜エディタに、五線記譜法のこういう展開のサポートまで期待し、伝統譜も期待するとなると、一つのシステムとして完結させることはほとんど無理、と言わざるを得ない。巨大すぎるシステムは作ることも、維持することも大変であり、なにより運用が難しくなる*7。やはり、情報処理システムの構成を考えながら、音楽ジャンルのグループ分けを考えざるを得ない。

標準的なDTMシステムの構成は次のようになっている。構成要素は、楽譜エディタ、ピアノロールエディタ、MIDIシーケンスエディタ、スタジオ機能の四つ。楽譜エディタは五線譜入力による楽曲入力を支援し、ピアノロールは楽譜よりもう少し物理的な特性よりの表記法であり、個々の音源装置の性能からは独立に音の物理的特性を調整する。MIDIシーケンスエディタは、特定の音源装置に密着する音源制御言語(MIDI)を直接編集して音楽の表情を調整する。スタジオ機能は、生成された音楽音に音響効果をつける。ここで楽譜エディタは楽譜の個々の表記法に密接に係わる。ピアノロールはピアノという用語が示すように、(平均律に調律された)鍵盤楽器に密接に関連したスケールで、音の物理的特性を表記する。MIDIシーケンスエディタは音源装置に密着した表情づくりの手段を与える。

ジャンル毎のDTMシステムを、ジャンルごとにバラバラにならないように実装する一つの方法として、DTMシステムをある雛型から必要な機能をもつシステムを作る問題を考える。こうするにはまずこれらの構成要素を、特定の音楽理論から独立な要素と、特定の音楽理論に依存する要素とに区分し、必要な部分を差し替えて作ることができる構造をとればよい。というのは取らぬ狸のなんとやら。

そんな折、最新のDTMに関する紹介サイトがブックマークに載っていた。今までは、録音や放送を聞き、楽譜と文献とを当たってきた。これは理論的検討と言ってもよいと思うが、音楽が人の所作なら、実践的な経験もどこかで積む必要がある。写譜が一段落したころを狙って、DTM機器を使った音づくりとジャンルを限って経験者に指導を仰ぐこととを始める必要がある。現在は古代歌謡から素材をとっているが、真言宗の檀家であるという意味では、お勤めのための声明譜という選択もある。ともあれ、段々と具体化して行こうと思う。

*1:親世代の民謡を横目で見て、TVで親世代の懐メロに付き合いながら、映画館で聞いたオネガー、バルトークから手繰った現代音楽を聞く。

*2:クラスター音楽

*3:ペンデレッキ、ポリモルフォア。脳波の波形がヒントになっているとか。

*4:シェーンベルク、ピエロリュネール

*5:シュトックハウゼン、ピアノ小曲11番

*6:音楽事典によれば、レシタティーヴォをドイツ語でシュプレヒシュティンメという。

*7:システムがもっているという理由だけで、伝統邦楽譜を編集する利用者が五線譜について知らなければならない。