狸系の里 シーズン2

はじめの一歩、二歩、散歩・・

2 DTMシステム試用

Diagostini社のMy Music Studioという、最後にDTMシステムが完成するムックが販売されたのは、信楽さんがまだ勤めていた時期だからもう5年以上も前の事になる。たまたま書店で見つけて最後の巻まで購入した。すぐに使えるつもりでいたのだったが、いろいろ手数がかかる時期だったこともあって、資料を斜め読みしてインストールだけは済ませた状態で今になってしまった。

情報民族音楽学の立場から言うとDTMシステムは、ある音楽について纏めた資料から音を再構成して、取りまとめた資料の内容を確認するための機材として使う。そのために、楽譜入力から音データ作成までの作業プロセスは、その音楽の性質を忠実に反映させられるものであることが必要になる。これは意外に難しく、例えば、音の繋ぎで高さが滑らかに移行する、半音より狭い音程で音が上下する、音に規則的な強弱パターンがない、・・など、鍵盤楽器・打楽器に最適化された制作プロセスで扱いにくそうな現象は簡単に想像がつく。

とはいっても、実機の操作経験がないままでは、DTMについて語っても机上の空論を抜けることはできない。そこでDTMシステムをそろそろ使ってみようと思う。対象には、調律の調整と音色の調達とに困らないように、ピアノで、フレーズあるいは小曲を演奏にするところから始める。次を予定。ちょっと灰汁が強いかも。

1) ラース エドルンド 「MODUS NOVUS」自由な調性をもつメロディを読む学習帳

これは、入野訳、「現代音楽のための視唱練習」として、全音楽譜出版社から出版されている。上記の訳は、原題の副題“Lärobok i fritonal melodiläsning”を原題に近い用語法で訳してみたもので、「現代音楽」という、ある意味時代を反映したキーワードを避けている*1。現代音楽には、竹籟五章(諸井誠作曲)のような、もともと平均律とはかけ離れた位置にあるものもあるので。

2) リストの後期の音楽から十二音音楽にかけての流れを追ってみる

これは完全に、平均律鍵盤楽器の織り成す世界。DTMシステムがピアノの特性をどの程度まで拾えているかが確認できる。

 

これはあくまでも手始めであり、情報民族音楽学としての活動は、DTMシステムに対応する分析系を作り、対象とする音楽*2の資料を集めて、ようやくスタートラインに立てる。しかし、DTMシステムを試用するだけで数年経ってしまいそうな気もしているのだが。

*1:ラースはLarsと綴る。入野訳ではラーシュ。スェーデン語にはskönaなど、カナにしにくい音がいくつかあるが、この”rs”もカナでは書きにくい。

*2:上代歌謡など。