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狸系の里 シーズン2

はじめの一歩、二歩、散歩・・

骸骨図の廻り

情報民族音楽学を纏める時に、発端の所に兼常清佐日本民謡研究をおいた。この、兼常の研究は、柴田南雄著、「音楽の骸骨のはなし」を読んでいて興味を感じたものだった。それでは、音楽の骸骨の話の残りの節はどう考えようか。

「音楽の骸骨のはなし」は副題に「日本民謡と12音音楽の理論」とあり、第一部「日本民謡について」には八つの節が、第二部「12音音楽について」には九つの節が含まれている。兼常清佐日本民謡研究は第一部6節に書かれている。

巻末(173頁)の要約に拠れば、第一部の目的は次の二つとしている。

1) 日本民謡の理解に資することを目的に考案した、音楽の構造図の考え方を示す

2) 領域の考え方を導入する

そうすると、第6節、兼常清佐日本民謡研究の内容は、構造図との関連性が今一つ明確に書かれていないこともあって、第一部の全体から見て落ち着きがよくないのではないかと思う。そこだけ参照するのも片手落ちな気もする。そこで、第一部6節と骸骨図との繋がりを確認する目的で*1、音楽の骸骨のはなしを読みなおしている。骸骨図の出発点は、メロディライン上で隣り合う2音の作る音程の出現頻度表であり、骸骨図は、音程に注目して、音程の並び方を図に書くものらしい?

音声認識技術の一つに隠れマルコフ模型というものがある。隠れマルコフ模型の研究の発端は1975年ころから始まり、現在では主流になっている。この技術は、コーパス解析の技術から来ていることもあり、基礎的な意味をもつ技術として解説文書も多く出ている。

隠れマルコフ模型に関連してN-gramと呼ばれている文法モデルがある。Nはある整数であり、N語の単語列が指定に順序で現れる確率に注目して文法を特徴づける*2。骸骨図がN-gramと関連付けできるなら、N-gramを一つの数学モデルと考える展開がある。

このとき、情報民族音楽学では、文書(楽譜)に注目して、規則で音の並びを組み立てることにしているので、音声認識コーパス技術で言われている「規則か確率か」という問題が関係してくることになる。

まだ骸骨図を読み込んでいない時点でここまで気にするのは気にしすぎなのだけれど、一応、この「規則か確率か」という問題には次のように対応するつもりではいる。

  1. a) 現象論は確率で
  2. b) 規範論は規則で

最尤推定(見ている限りみんなこうしていますよ)であっても、その基準を規範にするには関係者全員の承認がいる。それを考えると、確率モデルと規則モデルとは車の両輪であり、うまく同期することが大切なのではないか、という基礎にたつ。*3

*1:同時に情報民族音楽学との関連も。

*2:もちろん重さとは関係ない^^;

*3:物理学に喩えれば、現象を観測して知見を積み重ねるのがaで、法則を帰納して現象を説明するのがb。