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狸系の里 シーズン2

はじめの一歩、二歩、散歩・・

はじめに歌があった

以前、こんな作文をした事がある。

Alussa oli Laulu, ja Laulu oli Hengen kanssa, ja Laulu tuli Henkilöksi.

はじめに歌があった、歌は息(魂)と共にあった、そして歌は人となった。

 

もちろんこれは完全なオリジナルではなく、新約聖書ヨハネによる福音書の有名な言葉:

はじめに言葉があった、言葉は神とともにあった、言葉は神であった。

この言葉はフィンランド語版新約聖書では次のようになる。

Alussa oli Sana, ja Sana oli Jumalan tykönä, ja Sana oli Jumala.

この語句の並びを枠組みにして、歌と人との関わりを述べてみた。フィンランド語ではHenki (息)という単語がHenkilö (人)の中にあるのが、上の作文のミソ。

 

作文自体は練習で作ったもので、出来の良し悪しを聞くつもりもなかったのだが、歌と息(魂の意味もある)と人とが並ぶ文の作りは気にも入っていた。このあたりは、後に日本語の歌の起こりから今に通じる流れに関心をもつに至る動機と同じ根から生えた芽なのかもしれない。

 

楽器は形が残るが歌は語り継がれる以外残る術がない。あるいは歌は、それまで語り継がれてきたものを受け取り、次の世代に渡す事の繰り返しをとおして残される。情報民族音楽学、あるいは継承音楽学 (Successive Musicology)は、情報学を適用して歌の語り継ぎを支える一助となることを目標としている。