狸系の里 シーズン2

はじめの一歩、二歩、散歩・・

円周率という不思議な数

数の中には、それがあることは誰も疑わず、名前が決まっていて、その値にはどこまでも近づくことができて、しかもその値にはどうしても到達できないものがある。円周率は身近な例を与える。

 

円周率は円の周の長さとその直径との比であり、図を書けば目に見える。また、円の周の長さを近似する式を使って、近似地なら、実際に求める事ができる。しかし完全な値を書くには無限個の記号がいる事が知られており(超越数)、有限個の記号を使って値を書くことができない。

 

√2という数があってこれも無限個の数字を並べて書かれる。しかし√2の値は、

x^2=2かつx>2

という有限個の記号で書くことができるので、計算式fの条件によっては、f(√2)を近似地でなく正確な値として求める事ができる。超越数という数は、x^2=2のような整数係数の代数方程式をどう選んでも、根になる事がない。

 

歌、あるいは音楽という言葉の内容も、超越数同様、それがあることは誰も疑わず、名前が決まっていて、その値にはどこまでも近づくことができて(さまざまな作曲・演奏が行われて)、しかもその値にはどうしても到達できない(表現に行き詰まりを起こす事がない、どこまでも新しい表現を創造できる)、と期待したい。

 

そうすると「音楽とは何か」という問いには永遠に答えられない事になるが、音楽が未来に継承し続ける事ができるなら、全体が判らないという性質はむしろ自然なものと思える。円周率の近似を高めるように、音楽に係わる資料を集めて整理することで答えとしよう。