狸系の里 シーズン2

はじめの一歩、二歩、散歩・・

上代歌謡の譜

日本古代歌謡の世界CDの添付資料、楽譜の世界‐日本と世界の楽譜、(續天台宗全書 法儀Ⅰ 声明表白類聚の三冊を並べて、楽譜の見え方を比べてみている。

催馬楽朗詠譜と神楽譜とを見る限りでは、ネウマ部分に出てくる記号は同じに見える。ここでネウマとは、歌詞に抑揚を指示する記号を注記する楽譜の書き方*1

催馬楽朗詠譜と神楽譜とでは、ネウマを折れ線で表す。双方、ネウマを構成する要素(一つの線分)の形は同じに見える。使い方は違うように見える。神楽譜では折れ線を構成する要素が立っていることがある。催馬楽朗詠譜では立つケースはあまり見かけない。

催馬楽朗詠譜と神楽譜のネウマは真言宗の声明で使われている古博士のネウマと形が違う。真言宗の古博士は奈良仏教のころ四声点を起源として作られたという説がる。始まりの所に四声点の名残の○が付き、そこに折れ線が続く。全体として、マッチ棒に続けて折れ線を書いたように見える。これに対して催馬楽朗詠譜と神楽譜の記号には、開始点に○が見えない。

声明の譜と比較すると、催馬楽朗詠譜と神楽譜とで使っている記号は、天台宗の声明の本で見たことがある声明譜の記号と似ている。

いずれにしても、譜の作りはネウマ譜と同じで、その意味では似ている。しかし記号に共通の呼び名がないようだ。歌詞とネウマとの配置関係まではまだ調べていない。

*1:この書き方はグレゴリオ聖歌に由来し、抑揚を指示する記号をネウマと呼び、ネウマを使って書かれた楽譜をネウマ譜と呼ぶ。