読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

狸系の里 シーズン2

はじめの一歩、二歩、散歩・・

信号処理で音楽がどこまで判るかという課題

情報民族音楽学という風呂敷を広げてみて、さて、この風呂敷に具体的に何を入れようか?ということで、DTMシステムで言うピアノロール記法と音声認識システムで言う「音響パラメータ列‐セグメント仮説‐言語仮説」という三つの軸からなる仮説空間とを組み合わせて、音響パラメータを時間軸‐パラメータ値軸にプロットした図形を(音符単位に*1)セグメント分割して楽譜もどきの構造を作り、各セグメントに音楽情報を格納するような仕組みを考えてみようかと思い始めた*2

兼常清佐遺作集に、信号分析で計算した声の高さを時間軸‐声の高さ軸平面上にプロットすると、出来上がったグラフは五線譜に似た動きをすると期待されるも実際にはかなり違う動きをするという記述がある。ではどうすべきか、という問いが出てくるが、この楽譜もどきの構造は、この問いに対する答えにはなると思う。このグラフを楽譜の形式で清書するのは、グラフを作ることとはまた別な問題であり、グラフの形を見ながら考える事にする。

実際の民族音楽学研究の場では、採譜は終わりではなく、後がまだある。同じ曲を別な場所で採譜したものを集めて参考譜集を作って音楽が伝承されるプロセスを追う、参考譜集から典型的な演奏と思われる譜を選び、典型的な演奏と典型的な演奏からの解釈による揺れ幅を調べる、など、様々な調査の資料として使う。むしろ、採譜のあとに続く作業が、研究としては本筋と言える。

電子的に楽譜もどきを作ると一口で言っても、本当にできるかどうか、使えるか、という観点から見ると、実行して示せない限り答えは出ない。信号処理技術が安定すればそれ以降の段階はプログラムが出来るかどうかで決まる、ということは出来そうだが・・

1) 音資料のサンプルに目的外の音が混ざっている場合、目的の音に焦点を当てる方法

2) 利用する信号処理方法で目標とする音の特徴が捉えられることの確認*3

3) 楽譜もどきのデータの有効性を、必要な配布範囲・利用期間の間、維持できるか*4

ともあれまずは、学校に在籍している期間の最後の頃に繋がるように、信号処理系を整備して、混合音を使って目的の音に焦点を当てた分析ができる技術を作るところから始めようと思う。

・・と言っても、学生時代からはもう半世紀近くたつので、信号処理プログラミングができる環境をゼロから作る事になるのだが。

*1:音符の定義に議論の余地ありだが・・

*2:仮称「グラ譜」。特徴パラメータ値のグラフに、楽譜として読めるように必要最小限の追加情報を記入したビューをもつデータ構造。

*3:声でなく楽器だったら?

*4:比較譜集の利用期間は半永久的かもしれない。