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狸系の里 シーズン2

はじめの一歩、二歩、散歩・・

科学と工学(新年の抱負)

あけましておめでとうございます。今年は酉年。ドライにならぬよう水を欠かさぬように努める酉年は・・酒年・・ そんなことはこっちに置いといて、と。抱負など。

 

 

筆者がかつて所属した学科には、情報科学科と情報工学科とがあった。学校にいたのはもう40年位も前になり、情報系の学科は立ち上がる時期に当たるので、情報科学情報工学との境目はそれほど厳密なものがあるとも思えなかった。

 

言葉の意味にうるさい立場にたつなら、科学は対象について知ることを目的とし、工学は技術の創造を目的とする。情報との関係について言えば、情報と工学との関係は見易い。ある課題を解決するための仕組みを情報処理に基づいて具体化する、というイメージ。それに対して情報と科学との関わりあいは、いくつかの可能性がある分よく見えない部分がある。

 

一つの案は、対象として情報自身をとることである。この方向には、シャノン流の情報理論、計算機に繋がる計算論、及びこれらの理論の応用がある。これに対して筆者は次の関わりあいを考えている。

音楽の世界に伶楽という活動があり、遺品として残された楽器資料から楽器本体を復元する成果が得られている。この活動を、形のない音楽理論にまで敷衍して、音楽(実世界の実体に対応)を仮想的にかつ忠実に再現することにより、仮想的な再現をとおして実世界の実体を理解する、という方向を考えている。

 

観察する音楽の全体を対象に選ぶと、処理の対象となるデータは音ばかりとは限らないことになる。結果として、情報技術を単品でなく体系的に使うことになる。関連する機能の例には次がある。音の物理特性が判ると、物理的特性を更に分析して、音階などの音楽用語が意味する音の特徴を詳しく調べ、パターン化する。パターンによく適合する楽譜を作成する、そのためには電子楽譜を構成する要素をリソースとして作成する。音から楽譜を作成する過程を逆に進めて、楽譜から演奏する。音から楽譜を作成する過程で使う様々な機能、例えば標準音源、音の物理特性のグラフ化などの機能。

 

情報技術の体系を実装し、維持管理するためには、最終的なコードだけでなく、ある技術をどのような要件に基づいて実装したかという、要件を明記して残すことが重要になる。音楽を対象とするなら、要件を知ることは音楽そのものを知ることに等しい。そこで、本研究の活動は、民族音楽学の活動と類似したものになってくる。但し、対象は民謡に限定されず、上代歌謡の記録と口伝との対応関係なども対象としてよい事になる。

 

さて、夢物語とは言え、ここまで明確化してみると、今年からは具体化のフェーズに入りたいと思うのだが・・