狸系の里 シーズン2

はじめの一歩、二歩、散歩・・

読書(2)_語句の収集 階名と音名

しばらく自分用の用語集を作る作業をしてみよう。参考書としては次を選ぶ。

福井昭史、よくわかる日本音楽基礎講座、音楽の友社(2006年8月10日)[ISBN427630704X]

 

この参考書から語句を拾って単語帳の形に纏める。用語集が纏まると作文に便利になるが、それだけでなく、構成上、多少の工夫をしてみようと思っている。

 

原書は物(楽器)・上演が先で音楽理論が後の順に構成されている。楽器の調律を五線譜上の音符で説明しているが、日本の楽器を五線譜に記載されている音に調律するという理解は必ずしも正しくはないので、本書の順序とは異なるがまず記譜法から先に扱う。

 

まず、127頁の「神楽歌の音律構成」の表から表作りを始める。日本の階名と音名、及び対応する五線譜上の音名が一つの表になっている。

 

127頁の表「神楽歌の音律構成」から作表

律度

音名

五線譜の音名

階名

文字

読み

壱越

いちこつ

d

断金

だんきん

#d

変商

平調

ひょうじょう

e

勝絶

しょうぜつ

f

嬰商

下無

しもむ

#f

 

双調

そうじょう

g

律角

鳬鐘

ふしょう

♭a

変徴

黄鐘

おうしき

♮a

鸞鏡

らんけい

♭h

変羽

10

盤渉

ばんしき

♮h

 

11

神仙

しんせん

c

嬰羽

12

上無

かみむ

#c

 

壱越

いちこつ

d

上記参考書127頁の表は、芝祐泰編、五線譜による雅楽総譜 巻一 歌曲編8頁、壱越宮にて雅楽歌曲9声の構成図として掲載されている表と同じ内容をもつと考えられる。律度という用語はこの書による。

 

この127頁の表には下記の三つの誤解を招きやすい点がある。

・壱越以下の日本音楽の音名を五線譜の音名d、#d、・・に対応づけているが、音の高さが対応しているかのような印象を与える。実際には日本音楽の音名間の音程は三分損益法で決まり、平均律の音程とは異なる。

・壱越を宮におく構成法を示しているが、宮を壱越以外の音に置いてもよい。各音の構成法が決まっていて、音名毎に、その音を宮に取った場合の各階名に対応する音が決まる。

・日本の音階は5音音階と言われているが、階名が九つある。これは、日本音楽の音階を構成する音の特性に拠る。日本音楽の音階を構成する各音は、一定の高さを維持するものだけとは限らず、音の高さの揺らし方に固有の約束事が決まっている。この、音の高さの揺らし方が決まっている事から、音階でなく旋法と呼ばれる事がある。揺らし方を決める音は四つあり、九つの音から四つを除くと残る音の数は五つとなる。

 

これらについて説明を加えた文書をこれから作りたいと思っている。