狸系の里 シーズン2

はじめの一歩、二歩、散歩・・

第三形態は骨格が大事

前の投稿もそうだったけれど、文章がどうもくどい。聞く所によると第三形態は骨格だけになるという流儀があるようなので_β(^ ^;)、信楽狸の第三形態でも今日以降は、意味がはっきりしていて判ることばを使って簡潔に書く事を心がける。

 

前回の投稿は、要するに次を視野に置いた目論みという所か・・*1

1)情報民族音楽学の目的は音楽を書きとめること。

2)書きとめる目的は、その音楽の、その音楽に即した形を知ること。*2

3)音楽を書きとめる手段として、音楽の科学的模型を使う。

科学的模型は、物理学における物理模型のように、書く対象(自然現象)と自然に同一視できる模型とする。

4)音楽の科学的模型として具体的には音楽を模擬するソフトウェアを想定する。

次の特性をもつ。

  1. a) 文書資料に対応する電子文書。

これは、文書資料という「現象」を計測した結果として電子文書を位置づける事に当たる。計測する特徴要素の選び方、計測の精度は模型の忠実度に影響する*3。模型の忠実度を高める基礎は対象に関する知見の厚み。

  1. b) 楽譜資料に対応する電子楽譜。

これは楽譜資料という「現象」を計測した結果として電子楽譜を位置づける事に当たる。楽譜資料は意味のある単位毎に区切って特徴を捉え、この特徴を計測する。楽譜資料上に書かれたものを構成している、音楽上意味のある単位の捉え方、計測の精度の設定は模型の忠実度に影響する。模型の忠実度を高める基礎は対象に関する知見の厚み。

  1. c) 音程・旋法・音色など、楽譜を構成する最小構成要素に対応して、これらの要素を特徴付ける特徴量を導入し、この特徴量を計測した結果。例えば、「宮、商、角、徴、羽」の各音の音程、一つの文字で書かれる音が実際に取る音のパターン、楽器の音色の特徴。計測の精度の設定は模型の忠実度に影響する。模型の忠実度を高める基礎は対象に関する知見の厚み。

5)ソフトウェア工学で言われるソフトウェアは商用を前提とする。科学的模型は対象を正確に模擬し、模型を必要とする関係者には地域・時代を越えて誰にでも同じ内容を提供する。商用ソフトウェアはコストと性能のバランスで評価される。この要請を満たすために科学的模型の製作には次のi~iiiを保証する仕組みが要る。

  1. 模擬の忠実度
  2. 複数個の科学的模型間での相互運用性

iii. 科学的模型が動作する環境の移行に関する容易性

 

ソフトウェア制作プロセスは{要件定義、外部設計、内部設計、実装とテスト}の四つに分ける。

商用ソフトウェアを制作するにはこの四つのプロセスを実行する組織(提供者)がソフトウェアの実装を利用者に提供するという仕組みをとる。科学的模型としてのソフトウェアを提供するためには次に配慮する。

イ)「i. 模擬の忠実度」については、対象に関する知見が蓄積され社会的に共有・維持管理されること。

ロ)「ii. 複数個の科学的模型間での相互運用性」及び「iii. 科学的模型が動作する環境の移行に関する容易性」については、ソフトウェア制作プロセス自体がモデル化され、各項目の具体的な作業実行時にはこのモデルが利用可能になること。

 

なにもしなければ、声明譜や上代歌謡譜などの伝統譜を電子化して、譜に書かれた音を合成して、メロディを確認しても、情報科学音楽学の双方とも喜ばない。結局、どちらから見ても目標が不完全に見える。情報科学から見ると話題が特殊すぎ、音楽学から見ると既につみあがっている大量の文献への貢献が見えてこない。

この辺まで仕込んでおけば、技術がこなれてくれば、情報科学から見ると面白い技術的知見が見つかり、音楽学から見ると資料に到達するまでの道が見えてくるだろう・・か?

*1:全体像だから込み入ってはいるが。

*2:普遍的に使える共通記譜法があるという考え方には、それが確認できた時に従う。確認できるまでは、その音楽に即した形を書く。複数種の音楽について「その音楽に即した形」が書きとめられていれば、書きとめられたものを、比較する方法を決めて、比較する。

*3:文書資料上の手書き文字を標準的な符号化文字集合が含む文字に対応づけたときには、文書資料の書き手の筆跡情報が取捨されることがある。